連載小説『感情の忘れ物2 新宿・須藤編』シリーズ(全8話)

「……うるせえ街だ、クソが」
欲望と絶望が渦巻く世界最大の迷宮・新宿駅
で、不機嫌な男は今日も耳を塞ぐ——。

舞台は一日350万人が行き交う「人間処理施設」・新宿駅。
地下深くの薄暗い遺失物取扱センターで、須藤陸(すどう・りく)は舌打ちをする。
彼にとって、行き交う人々の欲望や絶望は、脳を削り取る不快な「騒音(ノイズ)」でしかなかった。

ホストの傲慢が憑依したライター、トー横キッズの万能感が宿るチョーカー、ストーカーの執着が絡みつくオペラグラス……。
持ち主が落としていった毒々しい感情を、須藤は「ただのゴミ」として冷徹に突き返していく。

しかし、都市の底に溜まった数百万人のストレスが、自我を持つバケモノ《黒い霧となり決壊した時、彼の世界を遮断していたヘッドホンは砕け散った。
絶体絶命の窮地に現れたのは、決して相容れないはずの”あの男”で——。


不器用な男の、孤独で騒がしい戦いが幕を開ける!
全8話。今ここに完全公開。


この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は、実在のものとは関係ありません。